空気と一緒に馬の祭りを記憶しとく

数年前、山間に響く太鼓に誘われて訪れる。錆びた空が低く垂れこめ、辺りは色彩が深い墨絵みたく沈んでた。

砂利道を踏みしめるたび、足元から伝わる振動が胸の奥をくすぐり、初めて感じる胸の高鳴りを、静岡県の馬の祭りと一緒に覚えてます。

射手が現れる直前、手元から響く木槌や、弓弦を結ぶ糸が張り、すごく緊張感ある序章だった。やがて合図が鋭く鳴り、風を裂くように走り出し、踏みしめる蹄が砂を跳ね上げる。

砂塵が舞い踊る中、はるか向こうに放たれた矢、空気を切る音とともに的中し、大きな歓声が上がる。静岡県の馬の祭りが盛り上がるポイントはここ、やっぱ迫力すげー。

湿った土と松葉の香りも交ざり合い、冷えた頬を撫でる秋風が、絶妙な余韻を残してる。古木がざわめく様子まで、愛おしく思えた。

終わったらドッと疲れ・・・、はしゃぎ過ぎたな。まだ耳の奥底に残る拍動みたいな響きと、軋む鞍の金属音が呼び戻される。

静岡県の馬の祭りで行われる儀式は、まるで時を止める魔法。ときどき夢に現れるほどよ。